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2011年9月30日 (金)

多文化共生と復興シンポジウム

第18回多文化間精神医学会学術総会が、9月30日~10月1日、トラストシティカンファレンス・丸の内において開催されました。

この学術総会は今年3月に予定されていましたが、東日本大震災の発生により延期され、この度の開催となりました。

この学術総会に、以前私たちのクラブでご講演頂いた精神科医の野田隆文先生が市民公開シンポジウムを開かれたので聴講致しました。


シンポジウムは赤坂憲雄先生(学習院大学)の「震災のフォークロア」から始まりました。赤坂先生は、震災後は震災地を次々と訪れ、その地を歩いて感じたことをお話しされました。

人間は、自分たちが暮らし易いように自然の形を変えたが、この震災でそれが元の形に「自然回帰」した。赤坂先生は、それを自然の懐深くに人間が入り込み過ぎた結果だと表現されました。

また、生誕を祝う神社や死者を弔う墓地が被害を免れているのを見て、生の始まりと終わりの重要な役割を担う場所がコミュニティの精神的な支えとなっていることを実感した、民俗芸能がコミュニティのアイデンティティとなっている、災害から身を守るのはハードではなく、日ごろの心の備えである等々、貴重なお話を傾聴致しました。



次に野田先生から多文化被災者支援委員会の報告がありました。外国人は言葉の壁により、情報弱者であることが浮き彫りになったこと、今後も引き続きメンタルヘルスの支援「心の復興支援」が必要であると報告されました。


その後、被災地4県の国際交流協会からの大地震発生時から今日にいたるまでの報告がされ、また被災地の在日外国人4名の体験談が発言されました。

異国で、目の前で津波が起きて、ご近所のお年寄りが流されたのを目の当たりにしたという体験を聞き、その衝撃の大きさ、悲しみの深さは計り知れません。それでもなお、自分も家族も命が助かったのは幸運で、これからしっかり生きていかなくてはならない、皆さんご支援下さい、と訴えられました。

13時に始まったシンポジウムは熱気を帯び、17時過ぎに終わるまで時間を忘れていました。皆様、貴重なお話を有難うございました。

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